エッセイ エッセイのバックナンバー

企画から開催まで足掛け2年の写真展「Here,There&Everywhere」がいよいよ始まります。思えば大震災を挟んで長い道のりでしたが何とかここまでこぎ着けることができました。関係者の方々のご協力と皆様のご支援の賜物だと思っております。一年のうちで一番寒い時期とは存知ますが写真展へ足をお運びいただけたら幸いです。詳細はトピックスをご覧ください。

さて、話は変わって、うちはごくごく普通の家庭だと思っていました。世間並みに常識もあり(つもり)、ゴミの分別もしていますし、家族揃ってご飯も食べますし(夕食は6時です)近所付き合いも適当な距離感を持ってやっていると自負していました。しかし他人から見るとどうもそうではないらしいのです。理由はいろいろあるとは思いますが、まず写真家という稼業がよくわからない。いつも家にいて、いつ仕事をしているのか、どんな写真を撮っているのかわからない。もしかしたら遊び人?的に見られているのかもしれませんね。息子が小学生のとき、子供会の父兄の飲み会に参加したのですが、うちは二人ともあまりお酒を飲まないしカラオケもしない。お母さんたちのブランド品の話にもついていけなくて完璧アウェーな気持ちになりました。そんな中にいると「もしかしてうちって特殊な環境?マイノリティ?」と思えてきました。

最近、編集者のYさんに「野寺さんは読字障害があるせいで普通の人と見えている世界が違うかもしれないですね」と言われました。う~ん、それはあるかも。先日、映画館の売店に並んでいたとき、旦那がドリンクの写真を見ながら「ウーロン茶と紅茶の写真が同じだ」と呟いていました。どれどれとよく見たら確かにお茶の色もアクリルの氷の角度も同じでした。職業柄よく観察していますね。ちなみに夢はカラーで見ると言ってます。

話は脱線しますが結婚して早々旦那が夜中に大声で怒鳴っているのにびっくりして目が覚めたことがありました。後で聞いたところ夢の中で亡くなった父親と大げんかしていたそうです。よくうなされているので今では慣れっこになってしまいましたが。そうかと思うと数日前は寝起きが良く嬉しそうな顔をしていたので尋ねると「広末涼子に告白されてチョー嬉しかった!!!」と鼻の下を伸ばしていました。なんて幸せな人でしょうか・・・

話は戻って、NHKの番組に「世界街歩き」というのがあってよく見ています。私たちの旅もあれに近いと思います。観光スポットではなくその辺の地元の人たちが行きかう路地を歩きながらスナップ写真を撮っています。二人で同じものを見ているはずなのにやはり旦那と私とでは全然違うものを見ているのだなぁと帰って来てから写真を見たときに驚きます。この人は生まれたときから人とは違うもの(多数派と少数派という意味で)に興味があり、違う世界を見ているのだと思います。まあそれが面白くて結婚したわけでもありますが。

そんなわけで旦那がどんな写真を撮って、それがどんなものに使われているか、いろいろな展示物もありますのでぜひこの機会に見に来てください。と結局は写真展の宣伝になってしまいましたね。(笑)

写真家 野寺治孝
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