エッセイ エッセイのバックナンバー

先月下旬、アパレルメーカーの夏号カタログのお仕事で石垣島へ行ってきました。(石垣へは仕事とプライベートで数回訪れたことがあります。)これまでは3月だったのですが年々早くなっています。真冬の東京から温かい島へ。ところが昨年末からの異常気象でずっと雨が降り続いているそうで着いた日も降っていました。まるで梅雨時のようでした。

旦那と私はロケハンのため他のスタッフより2日早く島入りし、知人のタクシー運転手のHさんに依頼し、撮影に適した場所をあちこち案内してもらいました。Hさんには島に来るたびにお世話になっています。地元の人しか知らない場所や喫茶店(島でコーヒーを栽培している人がやっているお店です)、Hさんのサトウキビ畑など。そこはドラマのロケ地にもなったそうです。その畑の隣でHさんの知人が刈り入れの真っ最中。初めてサトウキビの収穫作業を見ました。するとその人が私達に袋に入ったサーターアンダーギーをくれました。小ぶりで甘さ控えめで市販のものよりかなり美味でした。素朴な沖縄のおやつですね。またこんなこともありました。定休日の食堂の店先で雨宿りをしていたら中からおばさんが出てきて(自分もおばさんですが)「エッグフルーツ食べたことある?」と声をかけてきたのです。それは黄色いマンゴのような形で中身はゆで卵の黄身のようなホクホク(ちょっと熟しぎみだったのでドリアンみたいなねっとり感でしたが)していて甘いフルーツでした。こんな風に島の人達は見知らぬ旅人にも親切で優しいのです。人や風土のせいなのか、なんとも言えぬ島時間が流れていてとても安らぎます。とのんびり気分はその日まで。

次の日、いよいよスタッフと合流。とその時、事件が!スタッフが持ってきた洋服がぎっしり詰まったスーツケースを旦那が車から降ろすとき腰に異変が。そうギックリです。過去にもやっているので「ヤバイ」と思ったそうです。撮影はこれからが本番なのに・・・しかしすぐにHさんに整骨院を紹介してもらい、電気を当てたりお灸をすえてもらったりと丁寧に治療をしてもらったおかげで大事には至りませんでした。でも私にすれば内心冷や汗ものでした。仕事の前には万全を期してカイロプラクティックへ行ったり、マッサージへ行ったりと体調を整えてはいるのですが、このギックリ腰というのは予測不能で突然にくるんですね。恐いです。私も経験者ですから。しかしまあ最悪の事態は回避できホッとしました。その後は雨の合間をぬってお仕事は無事に終了。石垣市内でアンティーク屋(小物のレンタルも)を営むKさんに「みなさん楽しそうに仕事をなさってますねぇ」と言ってもらえました。そうなんです。このチームはいつも和気藹々と仕事ができるので私達も楽しいのです。それが写真にも反映されているのかもしれませんね。

あまり自由時間はなかったのですが、これだけはお土産に買って帰りたいと思うものがありました。それは焼肉「いしなぎ屋」の石垣牛肉です。ここは焼肉屋さんですが、牧場も持っていて、通りをはさんだ反対側には精肉店もあります。おいしくてリーズナブルな値段で提供しています。今回は食べに行く機会がなかったのでせめて牛肉を買って帰ろうと思いました。宅急便で届いたカルビやロース、柔らかくて美味でわざわざ買いに行って良かった!留守宅を守る息子への罪滅ぼし(?)ですね。

写真家 野寺治孝
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