エッセイ エッセイのバックナンバー

毎日寒い日が続きますが皆様お元気でしょうか? 我が家は新年早々ノロウィルスにやられました。今年は正月太りではなく正月ヤセとなってしまい、それはそれでつらいものですね。そんなときはつくづく普段の健康が有難いと思います。旦那は「デトックスができた」とあくまでも強気な楽観主義者ですが。

さて、11月に大掃除をしていたら古い旅の日記が出てきました。結婚後に旦那と一緒に行った取材旅行のことを綴ったものです。92年のオーストラリアから始まっていました。こんな寒いときには南国のことを思い出して気分だけでも温かくなりたいと思います。

92年1月から2月にかけて、新婚旅行と取材を兼ねてオーストラリアの東海岸沿いにグレートバリアリーフの島々をめぐりました。旦那は以前に撮影旅行へ行ったことがあり土地感があるようでしたが、私はそれまで南国リゾートには全く縁がなかったのでワクワクしていました。スーツケースいっぱいのフィルムを見るまでは。

1月20日に成田を発ってシドニーへ。シドニーで市内観光をした後ブリスベン経由でロックハンプトン(RH)へ。翌日、プロペラ機に乗り20分ほどでグレートケッペルという島へ到着。なんだか遠い道のりでした・・・。飛行場のロビーにホテルのクルーがやって来て施設とレクリエーションの説明をし部屋まで案内をしてくれました。(1軒のホテルが島全体を運営しているのです)ビーチフロントの部屋で、同じ並びにレストランやコンビニがあり便利でした。プールは5つ、水につかりながらカクテルが飲めるプールバーもついていました。レストランは一つでしたがビュッフェスタイルで前菜からデザートまでとても充実していて、パンも自家製でおいしいしメインの肉や魚も毎日メニューが変わるので飽きなくて美味でした。当然魚介類も豊富でした。ここの食事があまりにも充実していたので他の島もそうだと思ってしまったのが間違いだったとあとになって気づいたのですが。それから1月の南半球は真夏なのでクーラーなしだと蒸し暑いとも日記には書いていました。

ビーチは遠浅なので家族連れには最適。アクティビティーはパラセイリング、水上スキー、ヨット、ビーチバレー、テニス、バドミントン、アーチェリー等々、オフィスで道具を貸してくれるので1日飽きずに遊べるようになっています。しかし私達の場合ほとんど何もやりませんでした。旦那はずっとカメラを持ちながら写真を撮って私はそのあとをくっ付いて歩いているだけで。「写真家ってこうなんだぁ」と初めて知りました。スーツケースいっぱいのフィルムの数にも納得したのでした。それでもプール脇の長イスに寝そべりながらカクテルをすすり遅い日没を眺めているとこの世の楽園にいるような気分になったものです。そんなリラックスしている私達のすぐそばをのしのし歩いている動物が・・・1メートルのコモドオオトカゲでした。危害は加えないそうだけどゴジラのようでちょっと恐かったです。

GK島をあとにし再びRH経由でマッカイという町へ。翌日プロペラ機でブランプトン島へ。到着後小型バスに乗り込み、ほんの2、3分でレセプションに。ここへの移動中に放し飼いらしきカンガルーの一団を見かけすごく感激しました。翌朝、ダチョウがビーチを悠々と歩いている姿を見たときにはびっくり。あまり近づきたくはないけどおもしろい生き物だなぁという印象でした。撮影の合間にこの島で生まれて初めてシュノーケルをしました。水が苦手な私でも浅瀬で立ったまま魚が見られるのがうれしかったです。運がいいと海亀にも遭遇するらしいです。海亀といえば、夕暮れに散歩から戻ると部屋のすぐそばの砂地に何か動くものを発見。体長10センチほどの海亀の赤ちゃんがハイハイしていてそのあまりにも可愛い姿に二人ともしばらく見とれてしまいました。またこの島にはミニゴルフコースがあり旦那と二人でお遊びでやってみることに。が人間は二人しかいないのになぜか遠くの芝生の上にカンガルーの団体がいてこちらをじっと見ているんです。まるでボールが届かないのを知っているように打つ先々で待っているのです。ヘタクソなのをバカにされているようで腹立たしかったです。(大人気ない!)

動物好きな方にはお薦めのリゾートですが一つだけ困ったことが。それは唯一のレストランが最悪だったこと。(今現在はわかりませんが)伸びた麺に味のないパスタ、子牛のローストはまるで焼豚のよう。付け合せはトマトをくり貫いた中に詰めたグリーンピース。周りのテーブルを見るとみんな残していました。(海の幸がおいしいのだから素材を生かしてほしい!)帰り際に笑顔で「明日の予約を」と言われたときには返事に困ったことを覚えています。幸いコーヒーショップのバーガーがおいしかったので次の日からそこでテイクアウェイしました。やはり食は重要というわけで当初の予定より1日早くチェックアウトして次の島へ向かうことにしました。

この島は食事を除けば本当にホスピタリティあふれる楽しい島で、次の島へ向かうゲストは桟橋まで小さな電車に乗せられ海岸沿いをガタガタ揺られながら行くのです。それがまた気持ちよくて楽しい!案内の女性は東洋系の顔立ちで、聞くとお母さんが日本人のハーフだそうでとても親切にしてくれました。GK島もここも白人しかいなかったので親近感がわいてホッとしました。そして迎えの船を待つ間、魚の餌付けショーをやってくれたりとゲストを飽きさせないような工夫も。これぞリゾートクルーのお仕事、明るく、スマイル。あれっ?TDRと同じかしら?

次回につづく。

写真家 野寺治孝
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