エッセイ エッセイのバックナンバー

 9月26日に坂之上洋子さんとの待望のコラボ本「結婚のずっと前」が発売になりました。皆様のおかげで発売1週間で重版になりました。ありがとうございます。この本、タイトルだけ見ると未婚の女性向けかと思われますが、内容は老若男女問わず読んでいただけると思います。写真のほうも文章同様に楽しんでいただけたら幸いです。これでは何だか写真はオマケのような書き方ですねぇ(笑)

 さて、洋子さんてどんな人?とよく聞かれます。うちの旦那とは彼女がアメリカに住んでいる頃からの友人で一緒に仕事もしてきました。15年近くアメリカに住みバリバリ仕事をしていて、数年前、中国系米国人の数学者である旦那様の転勤で東京に戻ってきました。帰ってくるやいなや、国家的なプロジェクトにも関わったり、ビル・ゲイツ財団から仕事を依頼されたり(近々ゲイツ氏に会いに行くそうです)、有名大学で講演をしたりと超がつくほどのSCW(スーパーキャリアウーマン)なのです。妻であり、母であり、可愛い女性でもありすべてを持っている人かもしれませんね。と、こんな風に書くと「うわぁ凄い人、近づき難い・・・」と思われるかもしれませんがその実とても清々しくて気さくな方なのですよ。先日もこの本の編集者の悩みにコンサルをしてあげたら、その人はすっかり彼女のファンになったそうです。だから男女問わずファンと親衛隊が多い!

 でも私は洋子さんの旦那様のWさんもやはりすごいなぁと思うのですよ。度量の広さというか。日本の男性なら奥さんがあんなに忙しくしていたら絶対にうまくいかなさそうですが。まあそのあたりはこの本を読んでいただければ理解できると思います。それから、うちの旦那はWさんにアドバイスをしてもらったことがあります。パーティーの席である人が旦那に質問をしました。「夕日を撮りに行こうとしていて、途中に美しい花が咲いていてそれを撮りたくなった。でもフォルムが1枚しか残ってない。さてあなたならどうする?」旦那はすかさず、「花を撮る」と。すると近くでそれを聞いていたWさん、「それは数学的に正しい!」と一言。ええっ、それって確率の問題だったの???つまり先のことはどうなるかわからないから今そこにあるものを選択することが一番確実なのだそうです。うーん、確かに。

 話はちがいますがWさんはとてもお茶目なんです。ものすごい方向音痴だそうで、自宅に帰るのに何度も迷子になったそうです。あるときうちに遊びに来ると言って浦安行きの電車に乗るはずが浦和行きに乗ったらしく、洋子さんが「浦安にパルコってあったっけ?」とWさんが「野寺さんちはパルコの裏だよ」と。ちなみに浦安にはパルコはありませんが・・・あんなに世界的に有名な数学者がですよ。でもそんなところが大陸的で大らかで小さいことにはあまりこだわらない。いつも穏やかな雰囲気で洋子さんを見守っているという感じがします。それからこんなエピソードも聞きました。ある晩、洋子さんがなかなか寝付けなくて困っていたら、旦那様が洋子さんのために難しい学術書を読んであげたそうです。翌朝、旦那様が言ったそうです。「ヨーコ、夕べ1分もしないうちに眠っていたよ」と。そんな楽しいご夫婦なのでみんなこの二人のことが大好きなんです。

 

写真家 野寺治孝
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