エッセイ エッセイのバックナンバー

 「写真クリニック始めましたぁ~♪」と、ちょっと前にお笑いで「冷やし中華始めましたぁ~」というのが流行っていましたね。お茶らけはさておき、今月のトピックスでもご案内しましたが、最近「写真のアドバイスをしてほしい」というご要望がけっこうあり個人向けの写真教室を有料で始めることになりました。これまでも写真展会場や写真教室などでアドバイスをさせていただきましたが、プロになるにはどうしたらいいかという質問をよくされます。一概にプロと言ってもいろいろな分野があるので一言では説明できませんが、私がフォローしているブロガーにちきりんさんという方がいます。ちなみにこの方のブログは月間100万人もの人が読んでいるそうです。彼女のブログ(2011年2月23日付け)「ライターとカメラマン」の中にこの二つの職業の現状(きびしい)が書かれていてとても興味深かったので少し引用させてもらいます。

① アーティスト 0.1%未満
美術館やギャラリーで写真展ができて、作品が売れる人。例えば、杉本博司のように1枚の写真が2千万で売れる人。ちなみに奥さんは有名なギャラリストで銀座の一等地にギャラリーがあります。まあ二人三脚という感じですか。あのメープルソープの花の写真だって200万円位なのに・・・個人的にはこちらのほうが好きです。

② 商業トップ 0.9%
一流企業の広告撮影、例えば、資生堂やサントリーなど。篠山さんとか上田義彦さん(桐島かれんの旦那)とか藤井保さんとか。有名女優さんに指名される人。さて、アラーキーは???

③ 商業ハイエンド 4%
一流媒体、メディア、雑誌等と契約しているような人。グラビア撮影なんかもこれかしら?写真事務所を持っていてアシスタントを雇っているような人。

④ 商業マス 15%
タウン誌、折込広告、学校イベント等幅広く請け負える人。町の写真屋さんなども含む。

とまあここまでが写真だけで食べていける人々だそうです。私にはこの数字が合ってるかどうかはわかりませんが限りなく近いのではないかと思います。プロを目指すということはこの①~④の中に入らなければいけません。その中でもものすごい年収の人もいれば何とか生活できているような人(うちのことですが)もいるのが現状ですね。ですからプロになりたいという方はかなりの覚悟がいりますねぇ・・・。息子がなりたいと言ったら反対するかも。これまでどれだけの諸先輩方が廃業されていったことか。

 以前、大手D広告代理店が持っていたギャラリーでカウボーイの写真展をやらせてもらったことがありました。その当時の写真の部署で一番偉い方からすごく褒めていただきました。でも木村伊兵衛賞のような冠がないと代理店としては売り込めない的なことを言われました。旦那は賞などには全く興味がないのです。学校時代の絵の賞状などすべて捨てたそうですし。見る目のないクライアントの説得材料には権威付けが必要なんでしょうね。(負け惜しみか?)それと我儘なギャラリストの理不尽さにはほとほと疲れますしね。

 話はそれてしまいましたが、プロに必要なのは才能、努力、営業力でしょうか。でもまず写真が大好き、が大前提で、好きだからやめられない、だから努力を苦痛と思わない。そして自分を売り込む営業力、あたって砕けろ、数打てば当たる?的な発想も必要です。まぁうちの旦那の場合は他にできることもないですしねぇ。何にせよ不退転の覚悟はいります。それにしても写真家はみんな長生きで下がいっぱいつかえているっていうのもありますね。皆さんがんばってください。

 

写真家 野寺治孝
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