エッセイ エッセイのバックナンバー

 うちの年中行事の一つに「銚子詣」があります。もう6年目になりますが、毎年、1月か2月の晴れた週末に千葉の銚子へ日帰りドライブに出かけます。早春の房総は比較的暖かいので気持ちがいいです。

 野寺家の男子は代々「鉄ちゃん」で電車好きです。息子は機関車トーマスのプラレールに始まり、今はNゲージをやっています。旦那は幼い息子のためにとジオラマのレイアウトを仕事もしないで作っていた時期がありました。結局自分が楽しんでいたんですよ(怒)。ヨドバシカメラで貯めたポイントをほとんどそれに費やしていました。息子そっちのけで。かわいそうな息子はお父さんの邪魔をすると叱られるのでしょんぼり横で見ていました。

 話が脱線してしまいましたが、電車好きの旦那は仕事へ行くのも電車です。ですので車に乗って遠出をするのは年に1、2回。なぜ銚子なのか、それはイチゴを買うためとおいしい海の幸を食べ、銚子電鉄に乗るためです。銚子へ行く途中にはイチゴ街道という一本の旧道がありその辺りはイチゴ農家が多いのです。(東庄町)道端にはテント小屋の販売店が点在しています。そのフレッシュで甘くて安いイチゴを買うのが楽しみなんです。大きな粒(15粒位で1300円~2000円)、小さい粒のは箱に山盛りで千円です。今年はすごくいい出来のようで特に甘かったです。小さいパックもおまけ付きもイチゴ好きにはたまりません。

 しこたまイチゴを買った後、銚子魚市場を抜け、灯台へ向う途中に「いけす一山」という大衆食堂(失礼!)あります。広い店内の真ん中に生簀があり、イカ、ヒラメ、イセエビなどが泳いでいます。アジのなめろうは絶品です。他のお客さんのテーブルを見ると巨大な舟盛りやどんぶりからはみ出た天ぷらなどすごい量です。うちは残すのがもったいないので食べきれる分量しか頼みません。

 昼ごはんが済むとウォッセ21(水産物卸売センター)へ。観光客向けの魚市場ですが駐車場があるので便利だし、食堂やお菓子屋さんもはいっているので買い物するには便利ですね。うちはいつもここであんこうの切り身やメザシ、干物など買います。

 そしていざ灯台へ。太平洋を一望できる吹きさらしの狭い遊歩道をしばし散策し、記念写真を撮った後に海岸線の道を走って銚子電鉄の外川駅へ。銚子駅が始発なら外川が終点です。外川駅は超がつくほどローカルですが鉄道ファンに人気があり、必ずカメラを持ったそれらしき人が何人かいます。そして駅のベンチには規格外のぬれせんが格安で売られていたりもします。味には問題がないので必ず買いますね。それから息子を電車に乗せて私たちは車で銚子駅へ。とまぁ勝浦へ行くでもなく、鴨川へ行くでもなく、特に観光するでもないのですが毎年同じようなパターンで銚子の日帰りの旅を楽しむわけです。

 そうそう最後に大栄PAでパンにつけるとおいしいヨーグルトドリンクとピーナツペーストを買って帰ります。千葉の名産は落花生ですものね。1日で250キロ走りますが渋滞もなくドライブには最適です。何より春を一足早く感じるのがいいですね。皆様にもお奨めのドライブコースです。

※なめろうとは、魚または貝を味噌、酒、長ネギ、生姜を入れてたたいたもの。ちなみにそれを軽く炙ったものをサンガという。

写真家 野寺治孝
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