エッセイ エッセイのバックナンバー

パレシオ・オファリル・ホテルからの展望

 今回は5月に行ったキューバのことを書こうと思います。旦那がエッセイにも書いた首都ハバナについてです。うちの旦那は「ハバナ、バハマ、バナナ、パナマ、さぁキューバの首都はどこだ?」とつまらないダジャレと言ってはしゃいでいましたが

 キューバは貧しい国です。慢性的な物資不足に加え、最近は主食の米でさえも輸入できない状態だそうです。背に腹は代えられないということで外貨獲得のため秘かに観光に力を入れようとしているそうです。というのは入国スタンプはパスポートに押さず、ツーリストカードに押します。確かにパスポートに押されるとアメリカに入国する際面倒なことになるわけです。(そんな理由でパスポートに押印しないのかどうかは定かではありません。間違っていたらごめんなさい。)でも観光客を呼ぼうというわりには日本のキューバ大使館はウェルカムな雰囲気はなかったです。こちらが質問したことにも曖昧な返事で思わず旦那と顔を見合わせて「?って」感じでした

 キューバ国際空港の入国審査といえば、うす暗いブースへ一人一人呼ばれOKが出るとブザーが鳴って木の黒い扉が開く仕組みになっています。他の国なら審査ブースを出れば免税店などがあって明るい雰囲気なのに、ここは扉を出るとうす暗いガランとした空間があり、係員がボディチェックをします。共産圏ってこんなものなのかと自由の国から来た人間には少々カルチャーショックでした。

 滞在していたのは旧市街と呼ばれるスペインの植民地時代の建造物が立ち並ぶ地域でした。そこに対してチェ・ゲバラの壁画がある革命広場は新市街と呼ばれています。最初に泊まったのはパレシオ・オファリルというホテルで、18世紀に建てられた富豪の邸宅を改装した3階建ての建物で、真ん中が吹き抜けになった開放感のある、そしてステンドグラスが美しい宿でした。バスルームはリフォームされて近代的なのに、どこからともなく水が漏れていたり、天井や壁に穴が空いていても平気。普通ありえないけどなぁ。そしてトイレットペーパーは流してはいけないと。下水が詰まりやすいからだそうです。よってトイレの横に大きめの屑入れが置いてありました。

 そんなホテルの隣は崩れかけた民間のアパートだったりします。ホテルはメンテナンスしてますが普通の家はかなりスラム化している様子でした。部屋の窓を開けているとお互いに丸見え。ホテルの前の道路では子供たちが鬼ごっこや馬跳びをし、空き地ではサッカーをして遊んでいました。その光景が心を和ませてくれたりもしたのですが。石畳の道路には所々穴が空いているのでうっかりしていると足を取られてしまいそうだし、ノラ犬がいるのでフンが落っこちてるし・・・まぁそんな風景も写真となるとまた違う意味でいいのかもしれませんが。

 次はサン・ミゲルという小さなホテル。前の宿から歩いて3分で、ここは築100年位の建物でこの辺りでは比較的新しい(?)のかな。実はここにずっと泊まる予定だったのが部屋の水道が壊れてしまったため急きょ2泊だけ先の宿になったのでした。そのおかげで一番いい部屋にしてもらったのはすごくラッキーでした。ハバナ湾が近いせいで風通しがよく、洗濯物がよく乾きました。主婦にとってはありがたいことです。

つづく

写真家 野寺治孝
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