エッセイ エッセイのバックナンバー

CDフロント

 アートディレクターMさんからの依頼で数年前からPE'ZのCDジャケットの撮影をさせていただいています。PE'Zはファンキーなインストバンドで若い人たちや海外で人気があります。この4月にシングルCDの撮影で大阪へ行ってきました。「渚音楽祭2010春、大阪」というイベントに出演する彼らのライブも撮影しました。会場のロケハンを兼ね前日に大阪入りで、Mさんと私達はレコード会社のK氏と大阪駅で合流し、駅前からタクシーに乗り込みました。運転手さんに「マイス(舞洲)スポーツアイランドへ行って下さい」と告げると「はぁ?」との返事。地図のコピーを見せると「マイシマですわぁ」と返事が返ってきました。これだから日本語は難しいですね。

 会場の下見が終わりホテルへ戻ったら夕食時になっていました。みんなでご飯を食べに行こうと話していたら、なんだかK氏の様子がおかしい。歯が痛いらしい。それもかなり切羽詰った感じで。それでも私達に気を使っていたので、「ご飯を食べに行くより歯医者に行ったほうがいいよ」とみんなで説得しました。ホテルの人に近くの歯医者を紹介してもらい行くことにしたようです。あとで聞いたら奥歯がひどい虫歯で手のほどこしようがなく抜いたということでした。普通そこまで放っておかないと思うけど。本人曰く、「忙しくて歯医者に行く暇がなかった」らしい。この世界も本当に大変なんだなぁと改めて感じました。でも本人懲りてないらしく次の日ビールを飲みながら痛み止めの薬を飲んでました。あまり同情できないかも。でもいい人なんです。若いのに気が利くし仕事も一生懸命。

CD中面、見開きページ

 ライブ当日の朝、集合時間にロビーに下りていくと、マネージャーさん達があわてていました。夜中の雨と大風でメインステージが吹き飛ばされてしまったとのこと。あらあら大変。いろいろと不測の事態が起こりますね。そういえば、以前ボーカルを入れたシングル盤の撮影を予定していたとき、直前にボーカルが行方不明になって急遽コンセプト変更したこともありましたね。でも幸いPE'Zの出番は午後だったので何とか間に合いました。午前中のジャケット撮影は順調に終わり、昼食後ロケバスで会場入り。ちなみにこの音楽フェスはハウス、テクノ、トランス、ジャム、アート、パフォーマンス等様々なジャンルが集結した音楽ショーケースだそうです。(と主催者HP参照)

 広大な敷地のあちこちにステージやらブースが作られバンドやDJがパフォーマンスをしていました。屋台も出ていてビールを飲んでる人や凧あげしてる人、ピクニック気分で1日遊べるとういう感じでした。フェス初体験の私はもの珍しくて目がキョロキョロでした。

 撮影の準備のためバックステージで待機していると、演奏を終えたSUGIZOバンドの人達が戻ってきました。全身皮のスーツで黒づくめ、タトゥー、独特の雰囲気が漂っていました。次の出番のPE'Zはリハーサルなしのぶっつけ本番だったのでどうなるのかなぁと思っていたらさすがプロ。1曲目からエンジン全開。観客もノリノリで楽しいライブでした。

 その日に撮影したCDジャケット見て下さいね。もちろん内容もいいのでぜひ聴いてみて下さい。

写真家 野寺治孝
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