エッセイ エッセイのバックナンバー

おばあちゃんが焼いてくれたメキシカン・オムレツ

 今回のテーマは“旅食”です。あれっどこかで見たようなタイトルですね(笑)。旅の楽しみもいろいろですが、食べることはかなり重要な要素。何といっても1日3回ですからね。

 まずはキューバへ行く途中立ち寄ったサンフランシスコ。ジャイアンツの本拠地AT&T野球場で食べたポーリッシュドッグ。フランスパンの中に太っとい白いソーセージが入ってるだけですがかなりのボリューム。8ドルで少々値段が高め。売店のそばにケチャップ、マスタード、みじん切り玉ねぎとピクルスのサーバーがあり入れ放題。うちの旦那が5ドルで買ったチンケなジャイアンツドッグより数段おいしくお腹も満足でした。

 キューバの首都ハバナではあのヘミングウェイが通ったという郷土料理の名店「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」へ。店の手前半分はバーで、昼間からノリノリのラテンのリズムで生演奏をやっていました。奥にはテーブル席がありゆっくり食事ができます。入ってびっくるするのは壁や柱一面に書かれたサイン。店に来たお客が書いていくらしいです。ヨーロッパからの観光客が多いせいか、かなり洗練された味のような気がします。メイン料理(肉の煮込みのような)を頼むと自動的に白か黒のご飯、小豆の塩味スープ、サツマイモの天ぷらがセットで出てきました。キューバ料理は胡椒などの香辛料をほとんど使わない塩だけのシンプルな味付けで、何にでもライムが搾ってあるって感じです。レモンではなくライムなんです。日本人にとってはシンプルでおいしいと思います。どこのレストランもテーブルには塩しか置いてませんし。メキシコが近いのに辛いものを食べないそうです。

 キューバからアメリカへ移動途中に寄ったメキシコのカンクンでは当然メキシカン。タコス、ファヒータ、フローズン・マルガリータなど。本場物?と聞かれると観光地なので???ですが。店の真ん中に噴水があるだだっ広い店内で6人編成のマリアッチバンドのおじさんたちがリクエストに答えて歌っていました。ブラス隊兼ダンス担当の3人のうちパンチョのようなぽっちゃりしたおじさんが妙に愛嬌があっておかしかったです。そんなんで翌日、ホテルの朝食でオムレツにかけたサルサソースの辛さに初めてメキシコの味を感じたのでした。

 旅の最後に寄ったシアトル。ここは初めて訪れた地で、インテリジェンスを感じさせるきれいな街といった印象でした。シスコのような猥雑さはなく日本人にも住みやすそうです。宇和島ストアというスーパーマーケットに行けば日本のそれと同じくらいいろんなものがそろっていて、イチローの奥さんも買いに来るのかなぁと想像してしまいました。

 そしてここはスターバックス発祥の地ということも忘れてはいけませんね。ホテルの部屋にも、飛行機の機内サービスも、朝食を食べたカフェのポットに入っていたのもみんなスタバのコーヒー。そんな街の中で気づくとひっそりあったのがターリーズでした。思わず、がんばれ!と応援したくなりました。

 旦那のお供でセーフコ野球場へ行きイチロー観戦。名物のイチロール(のりが巻いてない巻き寿司というだけですが)も食べましたよ。

世界 一おいしかったハンバーガー

 そしていよいよメインイベント。実は今回の旅食で一番の料理をここシアトルで食べました。ガイドブックには簡単な紹介しか載ってなかったのですが、オーナー夫妻がなんと日本人だったのです。(下のアドレスを参照してください)あとで知ったのですがここは知る人ぞ知る高級なノースウェスト料理のお店でした。日本語であれこれ質問や注文ができたのも助かりました。そして何と言っても生牡蠣。海の幸ですよ。アメリカの牡蠣は小ぶりなので半ピースは一人でペロリでした。鴨と子羊のローストも火の通し方が絶品でおいしかったし。しかし悲しいかな量が食べられなくて。あまりにも美味しかったので次の日も行ってしまいました。そのお店は部屋が二つに分かれていて、手前はカジュアルなラウンジで軽く飲んで食事ができるスペースで、そこでは日曜日に1日中ハッピーアワーをやっていました。つまりさらにお手軽なお値段で食事ができるというわけです。そこで薦められたおつまみのグリーンのオリーブ。今までに食べたことがない、いい塩加減のおいしいオリーブでした。そしてここの一番のお薦めのハンバーガー。「えっ?」と思われるかもしれませんね。高級レストランでハンバーガーとはいかにもアメリカンな感じですが。いやいや目からウロコで、おいしい牛肉の切り落とし部分を使っていて、バンズもサクッとして、ポテトチップスが手製で最高。写真を見てください。百聞は一見にしかず。デザートのチョコレート、濃厚だけど口当たりよくて美味でした。普段はめったにチョコレート系のデザートは頼まないのですが。ただ、心残りなことが。夜中にお腹がすいて目が覚めたときに思ったことは、もう一つハンバーガーを食べておけばよかったなぁと思ったことでした。

CHEZ SHEZ (94 Pike Street, Suite 34 Seattle, Washington 98101)

写真家 野寺治孝
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