エッセイ エッセイのバックナンバー

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいします。

最近は写真教室を含めて一般の方(プロカメラマンでない)の前でお話をする機会が増えています。呑み込みがよく対応が早い方、私の言わんとしていることを直感的に感じ取れる方、カメラのスペックなど機材の情報に長けた方などいろいろいらっしゃいます。そこで上達する方に共通して言えることは、ある時何かのスイッチが入る方がいるということです。コツを掴むというか、突然面白い写真を撮り始めます。本人はあまり気がついていません。ある意味、私の仕事はその押されたスイッチを確認してあげることかもしれません。また、本人自身が良いのか悪いのかわからないこともあります。(私に見せるくらいだから何かは引っかかっているとは思いますが)

「こんな写真を撮ってもいいのでしょうか?」と聞いてくることもあります。そんな時は「このような理由でこの写真はいいんですよ」と説明してあげると納得します。そこでスイッチが入ると、どんどん面白いものが撮れるようになります。(それに囚われて撮れなくなる方もいますが)

よくある質問に「写真は才能ですか?」というのがあります。ズバリ答えます。「才能です!」。では「才能が無い人がやっても上手くなりませんね?」。ズバリ答えます。「やってみないと分かりません」。これは写真や音楽などのアートに関することだけではなく、すべての分野に言えることだと思うのですが、誰でもやる気と頑張りである程度はできるようになると思います。しかし残念ながら、ある一線を超すにはプラスα、すなわち生まれ持った才能が必要になってきます。運もあるでしょう。

スポーツに例えれば、どんなに頑張っても誰もがオリンピックに出場できませんよね。才能がある人がさらに頑張るからできるのだと思ます。では才能があるのかどうかを見極める方法はあるの?私は「ある程度は分かる」と答えます。逆に言えば、「才能だけが全てではない」ということなんです。根気、人間性、協調性などいろいろな要素があって成功できると思います。あとはその人にとって夢中になれるものと、良き理解者の存在も重要ですね。

野球を例に出せば、K選手はたぶんバッターとしては凄い才能があったと思います。才能だけでやっていたと思います。それに対してO選手は身体的才能も含め、考え方、普段からの鍛錬や準備が凄いから二刀流を成し遂げられたと思います。

私に言えることは「才能がある人とは努力を楽しんでできて、人間として素晴らしい人」だと思います。どんなに才能があってもそれを磨かなければいつかは錆びます。才能がそこそこでも磨き続ければいつまでも輝き続けます。大事なことは「私は才能が無いなぁ・・・」なんて考えず、楽しく続けることが一番の才能だと思います。

最後に、Q「野寺さん、あなた自身には写真の才能があると思いますか?」 A「ここまで夢中になって40年以上も続けられたのですから、あると思います」そう答えておきましょう。(笑)

写真家 野寺治孝
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