エッセイ エッセイのバックナンバー

h(野寺治孝) j(純子)

:皆さまあけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ところで昨年の出来事で何が印象に残ってる?
:そうねぇ、お互いの地元で写真展を開けたことかなぁ。写真家になって一度も地元でやったことがなかったから感慨深いものがあったわねぇ。
:手前味噌だけどどっちも盛況だったね。特に富山はまだ終わったばかりなので印象が強いんだけど、来場者の皆さんがとにかく喜んでくださいました。小さな町のせいもあると思うんだけど、地元を愛している方が多かったなぁ。
:たぶん立山連峰の剣岳のない地元の写真を見たことがなかったのかも。それに撮った写真はかれこれ15年前のもので地元に人にとっては懐かしかったのかもしれないね。
:そうだね。小さな町とはいえ変わった場所もたくさんあるよね。今回町を撮影したんだけど面白かった。あらためてまた撮ってみたいと思った。良く見るといい町だよ。何と言ってもスタッフの方々が親切だったなぁ。設置作業が楽しかった。その後の打ち上げはもっと楽しかった。(笑)この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。
:私の家族にも協力してもらい親戚、ご近所、知り合いなどにずいぶん来てもらい感謝感謝でしたね。それに20年来会っていなかった友人に招待券を送ったら見に行ってくれて電話をくれたの。これもすごくうれしかったなぁ。会っていない歳月を感じなくて話が弾んでしまったの。(笑)私としてはそれだけでも開催してよかったような感じかな。
:そうそう新潟からいらしてくれた友人夫妻もいたね。本当にありがたいです。浦安もそうなんだけど、地元に根ざした活動も大事にしなくちゃと思いました。恩返しっていうと大げさなんだけど、ある意味自分を育ててくれた場所だもんね。富山はあなたの故郷だから撮りやすいんだよ。浦安は本当の地元で毎日見ている風景だから新鮮味がないんだ。でも見方によっては面白い場所だからスポットで撮ってみようと思っているんだ。たとえば魚市場とかね。

:ところで先日テレビのドキュメンタリー映画「フィルムからデジタルへ」というのを見てたよね。どんな内容だったの?
:写真ではなく映画の話なんだけれど、一番の利点はコストがかからない。要は高いフィルム、現像代が大幅にカットできるんだよ。あと劣化がほぼゼロなんだ。極端にいえば素人でも映画が作れてしまう。で、問題点は果たして保存が永久にできるかっていうことなんだ。この問題は結論からいうとわからないんだ。最悪データがとんで無くなってしまうということもあり得るんだ。あと保存方式が何回も変わっていくんだ。そのたびに保存しなおしているんだよ。フィルムならそんなことはないし、映写機さえあればすぐに見ることができる。
:でももうフィルムには戻れないんじゃないの?
:そうでもないんだよ。スピルバーグの「戦火の馬」はフィルムで撮影しているんだって。フィルムの場合は撮影監督がいてある意味監督より重要で画面作りのほとんどを仕切っているんだ。色とかね。ところがデジタルになると撮影後にパソコンでどうにでもなるので撮影監督が重要視されず、監督の指示でオペレーターが色とかを決めるんだ。よく「フィルムにはデジタルにない情感が写る」的なことをいう作家がいるけれど気持ちはわからなくもないが、私はその情感をデジタルで作ればいいと考えてるんだ。
:出来が良ければどっちでもいいんじゃないの?
:そうそう!そうなんだよ。それが結論だと思う。で、デジタルといえば絶版になっていた書籍「すべての空の下で」が2月に電子書籍で発売されるんだ。
:ではここらで業務連絡です。「すべての空の下で」(PHP研究所刊)は2月に電子書籍として発売されます。またこれを使っての写真教室のカリキュラムも考えています。技術論ではなく野寺流写真論を中心に展開しようと計画中ですので詳細は決まり次第このHP上でお知らせをします。
:それに加え今年は何か新しいことをやろうと思っていて手始めに「TOKYO BAY」のビデオクリップを製作中です。書籍の予定もあります。どうぞ応援のほうをよろしくお願いします。

h&j:皆さんにとっても素晴らしい年になることを心よりお祈りしています。

写真家 野寺治孝
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