エッセイ エッセイのバックナンバー

調べてみたら『写真家を目指す人たちへ。』は3年振りですね。

さてこの3年間で世の中も大きく変わってしまいました。景気も低迷したままですし、写真家の収入も減る一方です。先輩はほぼ廃業しました。こんな時期に写真家を目指す人に何をアドバイス出来るのだろう?例えば「写真を職業にしたいんです。どうすればいいでしょう?」7、8年前でしたら「スタジオに助手で入るか、ストックフォトに写真を扱ってもらったら」なんて答えていたでしょう。今はどちらも難しいでしょうね。

スタジオ自体が減っています。これはHPに使用する程度の写真ならばデジカメが進歩して誰でもちょっと勉強すれば撮れます。何も高いお金を払ってスタジオ借りてとカメラマンを雇って撮る必要がなくなってしまったのです。

ストックは素人投稿参加形が流行っています。主婦が自分の子供を撮ったり、旅行に行ったついでに撮ったものを投稿して審査に通れば扱ってもらえます。売れればその金額が入るので素人にしてみればうれしいでしょうね。実は私もテストで100枚だけやってみました。少なくてもストックで売れる傾向は解っています。結果は1年間で8枚でした。しかも単価がとても安い。これだけで食べていくのはまず不可能でしょう。しかも肖像権などのトラブルはすべて作者なんです。これを知らないで参加している素人さんは多いと思います。

そんな過酷な状況で写真家になるなんて出来るのでしょうか?あくまで私の考えですが「個性的な作家になる」でしか方法はないと思います。要するに「お金を払っても誰にも撮れないものを撮るのでお願いしたい」って作家になるしかないと思います。

ではどうしたらいいのか。まずは基本を身に付けてください。ピント、露出が合ってる。水平、垂直がとれる。構図が決っている。当たり前ですがこれが出来ての個性です。最初から「そんな面倒なことよりオレ流で個性を磨けばいい」と思う方はそれはそれでいいと思います。ただしお金はいただけないでしょうね。それだけの覚悟を持ってチャレンジしてください。

常に準備、実行、反省ですね。

写真家 野寺治孝
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