エッセイ エッセイのバックナンバー


 写真展「CUBA HAVANA CLUB」が無事に終了したことをお知らせいたします。またたくさんの方が会場に足をお運びになったことを心より感謝いたします。ありがとうございました。

 今回の写真展はいろいろなことがありました。まず、震災の影響で開催が危ぶまれました。心配だったのは会場ですね。来られた方はご存知でしょうが、NYのソーホーにあるような古い雑居ビルです。良く言えば昭和レトロな建物です。そんなビルの3階にギャラリーはあります。その感じがとても好きで特に目の前の川沿いの桜並木が見事です。幸いギャラリーは地震の影響もなく壁にはヒビも入っていませんでした。会場が無事だったので開催できることがわかりました。しかしこれほどの震災の直後だっただけに私は一時、無気力感と虚脱感に陥ってしまいました。「一写真家の自分には何ができるのだろう」、しばらくして当たり前ですが、自分には写真しかできないことに気づきました。作品作りに打ち込むことで正直、震災のことを忘れたかったことも事実です。開催までに時間も迫っていましたので急ピッチで制作しました。

 搬入にはH君と息子が手伝ってくれました。H君は大学生になったばかりの若者です。ときどき私が写真を見てあげています。とても礼儀正しい、今どきの若者には珍しいタイプです。息子とのコンビネーションもよく短時間で飾りつけをしてくれました。おまけに「勉強になりました」と喜んでくれました。

 今回の写真展は震災のチャリティーも兼ねて、ポストカードや写真集を販売しました。特にポストカードが人気がありました。約5百枚売れて、最終日には完売となりました。いつもの写真展よりも皆さんが買ってくれました。おかげさまでシビックフォースさんへ小額ですが寄付することができました。孫さんの百億円と比べたら大洋のなかの一滴ですが真心のこもった温かいお金だと思います。皆様本当にありがとうございました。

 トークショーも盛り上がりました。相方の松田一完さんのおかげですね。終始彼のリードでとても楽しく話しができました。やはり言葉の専門家は違います。翌日の最終日も来てくださった方が多かったですね。トークショーで余ったカクテルを振る舞いまさにキューバ・ハバナクラブ状態でした。


 今回の写真展はいつもの野寺=海の写真とちがって、いわゆる街モノ、しかも初めての撮影地ということもあいまって少々不安のスタートでした。(いつも不安ですが)ところがフタを開けてみたらいつもより多くの方が来てくれて、しかも好意的な意見が多かったです。一番人気の写真は釣り人のシルエットでした。会場の隅に飾った写真です。実は飾りつけの際、この1枚だけ浮いてしまい、仕方がないので最後に字あまり的に飾りました。そうしたらこれが最も人気があり、ポストカードも50枚ほど売れました。わからないものですね。

 あと一番感じたことは自分で言うのも恥ずかしいのですが、「私の写真て皆さんから愛されているんだなぁ」ってことですね。わざわざ時間を割いてお越しいただいているわけですから嫌いではないとは思いますが・・・(笑)今回はひしひしとそんなことも実感することができました。今は感謝の気持ちでいっぱいです。少し気も抜けています。次回もがんばりますのでまた声援よろしくお願いします。

 夏に向けて写真集を制作しています。詳細は決まり次第お知らせしますので楽しみにお待ち下さい。ありがとうございました。

写真家 野寺治孝
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