エッセイ エッセイのバックナンバー


 まずご報告があります。昨夏で創刊以来続けてきました雑誌「チルチンびと」の撮影を辞めさせていただきました。(ナナムイびとのページの塩山さんの“日々、まめまめしく”と単発で過去のものが再掲載される場合はあります)理由は会社側のポリシーに賛同できなくなったからです。長年ご愛読していただいたファンの方々には申し訳ありませんがご理解下さい。

 さて、その仕事を下りてから半年間仕事らしい仕事がありませんでした。正直辛かったです。「自分はもうこのまま写真家としては終わったんじゃないのか、やっぱりチルチンびとは続けるべきだったんじゃないのか」と少し弱気な自分がいました。11月頃、友人Yさん(某大手企業勤務)と飲みながら愚痴を言っていると、「今の日本のほとんどのサラリーマンは年棒2、3割カットだよ。私のところも例外ではない。野寺さんの辞めた勇気を私は買うな。絶対大丈夫だよ。自分を信じたほうがいい」と励ましてくれた。内心、不安を抱えたまま何とか自分を奮い立たせ、準備だけはしていました。具体的には、とにかく体力がないと仕事にならないので朝のランニングの距離を少しづつ延ばしました。この年になるまで走ったことなんてありませんでした。(笑)電子出版に関する本を2冊読みました。素材フォトの企画書を5通提出しました。その他諸々です。でもどこまで芽がでるのかまったく先は見えませんでした。

 今年に入りまず素材フォトの企画が一つ通りました。そうしたら芋づる式にいろいろなことが起こり始めました。撮影依頼が3件、金属関係の会社、結婚式、丸の内の夜景撮影です。写真の貸し出しが1件(〇〇大学パンフレット)、電子出版が2件、まだ決定ではありませんが写真集の出版が2件、そして何と4月には写真展「CUBA HAVANA CLUB」も急遽決まってしまいました。以上のようなことが2、3週間の間に立て続けに決まるなんてことは今まで経験したことはありませんでした。

 今回エッセイでこのことを書かせてもらっているのは「自分はがんばったから凄いだろう!」と言いたかったからです。(笑、ウソウソ)ではなくて、人生には何回か転機があり、新しいことをやるには古いことを捨てなければならないということが身に沁みてわかったということです。ピンチはチャンスということですね。そしてそのときに励ましてくれた友人達の存在って有難いなぁということです。

 私は宗教を持っていませんし、神様だって都合のいいときしか拝みません。自分が宇宙と繋がっていると実感も感じたことはありません。しかしこのようなことがあると「何だかわからないが呼び寄せパワーとか、あきらめない人を神は見捨てないとか、宇宙は正義の味方をする」みたいなことってあるんだなぁと思ってしまいます。ですから皆様も何かピンチが来たら「自分が大きく変わることのできるチャンスだ」と思ってください。何だか宗教の勧誘みたくなってしまいましたね。(笑)

 ツイッターでも言ったことがありますが、私の座右の名です。「好きなことを、一歩づつ、ポジティブに、続けること」これは著名な成功者300人の言葉の共通点をまとめたものです。

注:本当に私はどこの宗教団体にもグループにも入っていませんし、超能力も霊感もまったくありませんが「人生、捨てたものではない」を実感している今日この頃です。

写真家 野寺治孝
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