エッセイ エッセイのバックナンバー

 5月にキューバに行ってきました。なぜキューバかと言うと5、6年前に「inside HAVANA」という1冊の写真集と出会ってしまったからです。見た瞬間、「これはいい!こんなキューバを撮ってみたい!」いわゆるひと目惚れっていうやつですね。ただご存知だと思いますがキューバは遠い国です。アメリカからはすぐなのに国交がないのでカナダかメキシコ経由になってしまいます。それで腰が重くなっていました。しかし、歳を重ねるほど行くのが億劫になるのは明らかです。そこで自分としては「えいやぁー!」と思いたち、行ってきました。フライト便の関係で往きはサンフランシスコ、フェニックス、メキシコのカンクン、そしてキューバと時間と時差でぐちゃぐちゃ状態で首都のハバナの旧市街に着きました。

 第一印象は失礼ながら「きたないイタリアの路地裏」でした。けっしてゴミが散らかっているという意味ではありません。建物がと言うより、街全体がメンテナンスしていないのです。たぶん100年以上そのままだと思います。しかし、よく見るとそこがとっても味となり、フォトジェニックなのです。どこを撮っても絵になります。また暑いので住人が建物の前でたむろしてます。(仕事してないのかなぁ)危険は感じませんが時々、「葉巻を買ってくれ」と言い寄ってくる人がいます。私はタバコを吸わないのでもちろん買いませんでした。(笑)とにかくお店がありません。レストランは繁華街に数軒か、ホテル内だけです。キューバ料理は香辛料を使わないのでシンプルですがなかなかおいしいです。(詳しくはJ's noteのページを参照)コンビニのような店も滞在中2、3軒しか見ませんでした。水を買いにそのうちの1軒に入りましたが品物が極端に少なかったですね。日用品、お菓子類、薬類、飲み物だけでした。お弁当などは売っていませんでした。

 観光が目的ならばハバナには3日くらいで十分ではないでしょうか。しかし写真の被写体と考えると1週間くらいは必要だと思います。もちろん古く懐かしい場所が好きならばの話ですが・・・。キューバ人は静かな人が多いです。カリブ諸国なので街中明るいサンバやサルサっぽいリズムが流れ、踊っている人が多いイメージですがそんなシーンには出会いませんでした。お世辞にも裕福そうな人はいませんが幸福そうです。自殺する人はほとんどいないそうです。物もお金もはるかに日本のほうが恵まれていると思いますが、幸福度はキューバのほうjが絶対高いと思います。顔に表情がありますね。昭和30年代の日本のようでした。

 さて、肝心の写真のほうですが、いいのがたくさん撮れました。いわゆる街物の写真なので海物は2、3枚しかありませんが、ハバナの街を通り抜ける風のようなものは撮れたと思っています。何かの形で発表したいと思っていますのでもうしばらくお待ちください。帰ってきて1ヶ月経ちましたが不思議とまた行きたくなるそんな場所です。

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写真家 野寺治孝
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