エッセイ エッセイのバックナンバー

 2007年の9月から10月にかけて2つの写真展を開催しました。たくさんの方にご来場いただき、数々の励ましのお言葉を頂戴しました。本当にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 さて、写真家にとって写真展は一番の晴れ舞台です。音楽家で言ったらステージライブのようなものです。ですから準備がいります。まず、テーマを決めます。これがなくては始まりません。どの写真を一番見てもらいたいのか慎重に決めます。
 次に、それらの写真を30~40枚くらい焼き、ファイルブックを作ります。大きさはA4くらいが持ち運びもできいいでしょう。プレゼン相手にいい印象を与えたいのでかっこいいファイルに入れます。伊東屋のEVOLUTIONがお奨めです。A4で1,500円くらいです。

 ギャラリーを決めます。通常どんなギャラリーでも審査があります。先のファイルブックはそのプレゼンのためのものです。キヤノンサロンやニコンサロンのようなメーカーギャラリーは審査に通れば無料のところが多いようです。審査は半年から1年前なのでギャラリーに問い合わせてください。今回私がお世話になったUP FIELD GALLERYは個人経営なので借り賃がかかります。直接アポを取りファイルを見てもらうといいでしょう。

 場所と日時が決まったら平面図を元に全体の構成を考えます。(枚数、大きさ、様式など)次にタイトルを決め、代表的な写真を1枚選びます。この1枚が案内状やあらゆる告知媒体になりますので慎重に選んでください。タイトルとこの写真がかなり重要です。

 開催日の3ヶ月前にはギャラリーにタイトル、代表的写真、紹介文その他ギャラリー指定の資料を提出します。各メディアには基本的にギャラリーが資料を送ってくれます。

 その間に案内状のデザインを決めます。ほとんどのギャラリーにはお抱えのデザイナーと印刷所がありますので紹介してもらうのもいいでしょう。1ヶ月前までに完成させてください。印刷する日時などの文章は間違えのないように何回も確認してください。

 作品を製作します。自作でも発注でも早めに作っておいたほうが良いでしょう。何かトラブルが発生しても間に合います。額装の場合はその作業時間も考慮してください。

 開催日の3週間前をめどに案内状を発送します。ちなみに私は封筒に案内状2枚と手紙を入れて送るようにしています。

 搬入は通常初日の前日です。送るのか持ち込むのかどちらにしても破損しないよう注意してください。何かと人手がいるので友人3、4人に手伝ってもらうといいでしょう。持っていくと便利なものはメジャー、金槌、ドライバー、ガムテープ、カッター。ギャラリーには用意されているものもありますので事前に確認してください。

 さて、いよいよ初日です。初体験の方はお客さんの反応が気になって仕方がないと思いますが落ち着いて普通にしていればいいのです。お客さんとはなるべく話をしてください。コツは「何かご質問がありましたらどうぞ」と一言話しかけると大抵はいろいろと言ってくれます。褒められればうれしいですが、ネガティブな意見も怒らずじっと聞きましょう。何を言われてもまな板の鯉の心境です。アンケート用紙を置いておくのもいいかもしれません。

 展覧会が終り搬出です。次の方の搬入が控えているので速やかに撤収します。手伝ってくれた方への感謝の気持ちを忘れずに。反省と充実感が入り混じった複雑な心境になりますがこれだけは言えます。「やってよかった。ビールが飲みたい」

 ネガティブな意見ほど真摯に受け止め次の作品に反映させることが大切だと思います。褒め言葉はそのまま受け取り自信にしましょう。

 私事ですが2008年7月9日から15日まで有楽町のコンタックスサロンでの写真展が決まっています。お楽しみに。

写真家 野寺治孝
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